社会
自らをとりまく社会を知り、
自己の役割を考える
教科が目指していること
フェリスの社会科は、時間的(歴史)・空間的(地理)・思想宗教や政治経済的側面(倫理、政経)から、自分が今どこにいるのかを理解することを目指しています。様々な地域や時代の社会・思想を学ぶ中で、自分を客観視し、多様性を理解して協調を導く柔軟な思考力が養われることでしょう。その上で、自分にどのようなことができるか、何をすべきかを各自が考えるようになってほしいと思います。
一つのことがらでも、視点が変われば見え方は大きく変わります。社会科の学習を通じて、様々な視点で物事を捉えるようになると、それまで持っていた「知識」に奥行きが出てきて、見落としてきた他者や新たな問題に気づくでしょう。それらを他人事ではなく、自分の人生の延長線にある自分の問題として想像し、共感できるようになれたらよいと思います。
現代社会には、多くの課題があり、多くの情報があふれていますが、与えられる情報を鵜呑みにせず、自分で調べ、検証することや、自分の頭で論理的に思考することも大切です。そして、よりよい世界を構築していくために自分たちが担うべき役割を考え、For Othersを実践する人を育てていきたいと考えています。
特色ある取り組み
社会特別講座
社会特別講座は、高校2年生の選択授業です。2名の教員と少人数の生徒たちのゼミナール形式で、発表とディスカッションを中心に行われます。この授業では、現代の世界と日本の諸問題を学びながら、生徒はそれぞれの関心に基づいてテーマを設定し、調べた内容や自分の考察を授業でプレゼンテーションします。それについて、他の生徒たちと議論を重ね、自分の研究をさらに練り上げて、前期と後期にそれぞれ1回ずつ論文を作成します。この体験を通じて自分の進路を決めたと語る生徒も少なくありません。
(過去のテーマ例)
- 「ロヒンギャの未来を考える」
- 「黒人差別-何を克服すれば、差別はなくなるのか-」
- 「福島第一原発事故について-未来へ向けてできることとは-」
- 「戦時の新聞報道と検閲-ジャーナリズムはどうあるべきか-」
- 「戦前の音楽-学校教育の現場から読み解く-」
地歴公民科講演会
生徒に広く社会に関心を持ってもらいたいと考え、毎年、日本や世界の現場で活躍している方をお招きし、高校生を対象とした講演会を実施しています。国際理解を深めると共に、講師の方々の生き方に触れる中で、生徒たちが自分自身の生き方を考える機会にもなっています。
広島研修旅行
毎年2月に高校1年生が広島を2泊3日で訪れます。そこでは、被爆者や研究者の方々からお話を聞き、平和のために活動する広島の高校生と交流の機会を持ちます。実際に自分の目で見て、耳で聞き、自分の足で歩くことで、本や教科書からだけでは得られない多くのことを学ぶことができます。この研修を通じて、核と平和、アジアそして国際社会における日本のありかた、諸民族の共存などについて、生徒自身が理解を深め、今後の人生の糧となることを願って、30年以上継続して実施しています。