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これからのBrave Pioneersへ―第156回創立記念式(6/23UP)

2026.06.23

[行事]

6月1日、フェリスでは第156回創立記念式が行われました。
式典はハンドベルクワイアの美しい演奏から始まり、聖歌隊による讃美歌の合唱、校長式辞と進行してゆきました。

今年の校長式辞では、日本で初めて誕生した39人の女性議員の中のひとりで、フェリス出身の榊原千代という女性について取り上げられました。
千代は1917年にフェリス和英女学校本科を卒業して高等科に進学、その後青山女学院英文専門科本科に転入し、卒業後は雑誌『婦人の友』の記者として働きます。夫である榊原巌と結婚した後は福島県へ移り住み、夫の転勤に同行してドイツとイギリスで宗教学を学んだ時期もあったそうです。
クリスチャンだった榊原夫妻は、戦後、福島県の自宅の横にキリスト教青年会の寮を作りましたが、この寮は次第に職業を持つ女性たちの集いの場になってゆきました。婦人参政権が認められる最初の選挙が行われるというとき、その集いの会話から千代は立候補することを決めたのです。「とにかく誰か出た方がいい」と。
立候補したとはいえ、選挙活動というのは初めての経験です。なんの後ろ盾もありません。千代は、手作りののぼりを担いで、軒先で演説をし、人々に「政界と家庭の浄化」と不敬罪の廃止を訴えかけました。軒先を貸してくれた人々は、食事をご馳走してくれたり、夜遅くなった日には一泊させてくれたりと、千代に対して非常によくしてくれたそうです。すべてが手作りの選挙活動でしたが、その活動の甲斐あって千代は1946年の衆議院選挙で当選し、日本で初めての女性議員のひとりになりました。千代が主張していた不敬罪の廃止は1947年の刑法改正で実現し、1948年には千代は片山哲内閣において女性初の司法政務次官にも就任しました。
前例のない中であっても、とにかく政界に飛び込んでみる。そういう行動に踏み切った千代は、まさに「a Brave Pioneer」です。今回のお話は、156周年を迎えるにあたって、これまでフェリスが育ててきた「Brave Pioneers」のパワーとエネルギーに改めて目を向ける良い機会となりました。

さて、式辞の後は永年勤続表彰が行われました。本年は教員と事務職員合わせて9名がそれぞれ勤続10年から35年の表彰を受け、生徒会からお祝いのお花が贈呈されました。よく知っている先生が表彰されている姿を見て、生徒たちもみな驚いたり喜んだりと大盛り上がりでした。
その後は校歌の斉唱と宗教主事による祝祷を経て、無事に式典が終了しました。

式典後には、卒業生で本学院理事を務めていらっしゃる安原ゆかり理事によるご講演をいただきました。ご講演では、学びとの向き合い方やよい勉強法についてのお話や、AI時代における働き方について、ご自身の実体験も交えながら楽しくお話しいただきました。生徒たちもよくメモを取り、真剣なまなざしで聞き入っている様子でした。

156年という長い歴史の中で、フェリスとフェリスを取り巻く環境は大きく変動してきました。しかし、創立者のキダー先生の「a Brave Pioneer」としてのエネルギーや、これまでの在校生が守ってきた「For Others」の精神は、変わることなく連綿と受け継がれています。「自分のことさえよければなにをしても自由だ」という考えが蔓延り、争いの絶えない現代社会の中で、私たちはそれでも「他者のために」動き、真の意味での「自由」を追求できる生徒を育てる学校でありたいと思っています。
これまで本校をお支えくださったすべての皆様に、改めて感謝を申し上げます。


※参考:岩尾光代「最初の女性代議士となったフェリスOGたち-榊原千代と松尾トシ子の足跡―」『あゆみ(フェリス女学院資料室紀要)70号』、『フェリス女学院100年史』、『同150年史 下巻』
参考:https://magazine.ferris.ac.jp/20220410/11310/ (2026/06/02最終閲覧)