潮だまりと海食台と鬼の洗濯板と―J3理科研修(5/29up)
2026.05.29
[行事]
先日、J3(中学3年生)理科研修が行われました。この研修は、三浦半島のゆたかな自然を観察することを通じて、これまで学んだ内容を実際のフィールドで再発見し、理科の学びを深めてゆくことを目的としています。今年は、日帰りで二日間の日程で行われました。
1日目の午前は三浦半島の天神島というエリアに訪れ、磯の生物の観察を行いました。
この天神島の磯は高低差のある入り組んだ地形となっており、干潮の際には海水が取り残されてできた「潮だまり」が多く見られます。潮だまりには、まわりの海とは異なる特徴を持った環境が存在します。生徒たちは、ここをメインに生物の観察を行いました。
初めのうちはこわごわ潮だまりに近づいていた生徒たちですが、観察を続けるうちに慣れて楽しくなってきたのか、いつのまにか水に濡れるのも構わず、岩から岩へ跳ねるように移動し、観察に熱中していました。ナマコの一種やクモヒトデ、アメフラシなど珍しい生物を観察できた生徒もいたようです。
この日の午後は学校へ帰り、磯の生物についての映像を観たのち、天神島の海水をサンプルとしてプランクトンの観察を行いました。生徒たちは各自プレパラートを作成し、プランクトンの姿を探します。そう簡単には見つからないので、プレパラートの中に動くものが見えると、わあっと歓声が上がりました。プランクトンを発見した後は、図鑑などを用いて種類を確かめ、スケッチして記録に残します。
2日目の午前は再び三浦へ。この日は荒崎公園というエリアで地層や地形の観察を行いました。荒崎は海食台や海食崖(どちらも、海に削り取られて形成された地形)が発達しており、「鬼の洗濯板」と呼ばれる黒っぽい地層と白っぽい地層が交互に重なった縞模様の凸凹した地形が特徴的です。生徒たちは、まず遠くから地形のスケッチをし、これまで学んだ地学の知識を活かして、地形の形成過程を推定しました。教科書でしか見たことのなかった「断層」や「海岸段丘」などの実例が見られたことで、生徒たちからは時折感嘆の声が聞こえました。その後は実際に「鬼の洗濯板」に下り、地層の中身についての詳しい観察やクリノメーターという機材を用いた地層の測定を行いました。
この日の午後は横須賀市博物館へ移動し、「三浦半島のなりたちと現在の姿」というテーマに沿って展示を見学し、手元のワークシートに取り組みました。博物館では前日やこの日の午前に自分が見てきたものについての詳しい解説を見ることができ、生徒たちの見識もより一層深まったようでした。
今年の理科研修は2日間ともに晴天に恵まれ、たいへん良い時間となりました。机上で学んだ知識を実際のフィールドの中で活用し、本当の意味で自らのものとしてゆくという貴重な経験が凝縮された2日間でした。
知識が無ければ自然環境の複雑な構造は読み解けず、逆に、知識があっても実際の自然環境でそれを運用する経験が無ければ、真の意味で知識が自らの力になることはありません。普段の授業で確実に知識や技能を学ぶことと、自然観察の中で様々な発見をすることは、学びの両輪です。本研修は、そのことをあらためて意識する良い機会となりました。
天神島の磯観察①

天神島の磯観察②

天神島の磯観察③イソクズガニ

発見されたプランクトン

荒崎の地形観察(鬼の洗濯板)

お昼ご飯

シロツメクサを編んでいました













