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ニュースの、その先へ(6/5UP)

2026.06.05

[行事]

フェリスでは毎年高校生を対象に、現代社会の諸課題についてより深く知り、考えて欲しいとの願いから、日本や世界の現場で活躍されている方をお招きし、講演会を開催しています。(昨年度の地歴公民科講演会の様子はこちら
今年は、文筆家・イラストレーターとして活躍されている金井真紀氏をお招きし、「世界はいろんな色をしている」と題して講演をして頂きました。


金井さんはこれまで世界各地を訪れて現地で交流を深め、多様な視点からの取材を行い、『パリのすてきなおじさん』(柏書房)、『戦争とバスタオル』(安田浩一氏と共著、亜紀書房)、『世界でくらすクルドの人たち』(福音館書店)など、多数の著書を発表されてきました。

『テヘランのすてきな女』(晶文社)の取材では、イランへ何度も足を運び、公衆浴場や美容院、女子相撲部といった男子禁制スポットに行き、多くのイラン人女性にインタビューをされました。
イランの女性というと、髪を隠すためのスカーフ着用が義務づけられ、その着用方法によっては処罰の対象となるため、「抑圧された女性たち」というイメージを抱きがちです。しかし実際には、自らの信念に基づいてスカーフを着用しない女性や、規則への静かな抵抗として坊主頭を選ぶ人もいるなど、その考え方や生き方は実にさまざまです。友人同士であっても考えは異なるため、「どうして?」とは聞かず、それぞれの選択を尊重しながら関係を築いているというお話が印象的でした。
また、イランは美容整形大国としても知られています。鼻を低くしたり、ボトックス注射をしたりと、美しさを追求する女性も少なくありません。それは誰かのためではなく、自分自身を好きになるための選択なのだそうです。

金井さんの講演を通じて、遠く離れた国の市井の人、特に女性のありのままの生き様を知り、強く、しなやかで、自分らしさを追求する「かっこいい女性たち」がニュースの裏にいるのだということに気づくことができました。
国家や宗教、政治体制といった大きな枠組みで語られがちな世界情勢の背後には、それぞれの日常を懸命に生きる人々の姿があります。生徒たちは、ニュースや先入観だけでは見えてこない多様な価値観や暮らしに触れ、「世界はいろんな色をしている」という言葉の意味を、それぞれの視点から深く考える機会となりました。

 

世界中の人びとへの溢れる愛が伝わってくるご講演でした

美しいビーズが散りばめられたクルドの民族衣装

金井さんのイラスト

チャドル(全身をおおうタイプのスカーフ)を着た女性たち

チャドルはとても重く、手で支えながら歩いているそうです

イランの美容院にてサイドに剃りこみ・植毛

眉毛をくっきり美しくするために植毛をして、お洒落を楽しみます