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古代の方法で地球の周の長さを測ろう!―J3理科1(5/18up)

2026.05.18

[授業]

先日、J3(中学3年生)理科1(地学分野)において、地球の周の長さを測定する実習が行われました。
地球の周の長さを測定するといっても、まさか自力で地球を一周歩くわけにはいきません。今回は、紀元前3世紀に活躍した学者・エラトステネスが考案した方法を校内で再現し、測定しました。

エラトステネスは、ヘレニズム時代を代表する学者の一人で、地球の正確な周の長さを測定したことや、ムセイオン(アレクサンドリアの王立研究所)の図書館長を務めたことなどで知られています。
エラトステネスは太陽光の入射角の違いに着目し、同じ経度上にある2都市(都市間の距離は925km)における緯度の差(およそ7.2°)を測定しました。すると、地球の中心の角度7.2°あたりの地球の周の長さが925キロメートルということが分かります。ここからエラトステネスは、「地球は球なので、周の長さを知るには、360°あたりの長さを計算する必要がある」と考え、現代知られている数値と遜色のない約40000kmという数値を導き出しました。

今回の実習も基本的にはそれと同じ方法で行われました。つまり、同じ経度上で緯度の差がある2地点の距離を測定し、そのデータを基に緯度1°あたりの距離を計算したのち、それを360倍することで、地球の周の長さを測定するという方法です。

実習が始まると、生徒たちはまず20mを何歩で歩き切るかを調べ、自分の一歩あたりの長さを計算しました。古代と同じように、本実習でもこれを測定の尺度として用います。
ここから、同じ経度上で緯度がちょうど1単位変わる2地点を見つけ、その間の距離を自分の歩数によって測定するわけですが、何も持たずに同じ経度上を歩くのはなかなか難しいものです。よって、ここでは文明の利器を利用することとしました。生徒たちはスマートフォンのGPSを用いて現在地点の緯度と経度を確認しながら、条件に該当する2地点を探し、距離の測定を行います。

校内のどの地点で測定するかは生徒たちに任されていましたが、「緯度と経度の画面に集中して歩くあまり、池に落ちないように」という教員の注意には、生徒たちからも笑いが起こりました。人気だった計測地点は、グラウンド前の車路~正門の直線と、下足室前の長い直線でした。

測定から帰ってくると、生徒たちはおのおの自分で測定した距離を基にしながら地球の周の長さを計算し、その結果と実際の長さとの誤差の評価を行いました。計算方法の細かい指示はありませんでしたが、生徒たちは自分たちが得たデータとエラトステネスが用いたデータを照らし合わせて、うまく単位の換算や計算方法を導き出していました。

とはいえ、すべての班が一回で正確な測定ができたわけではありません。いくつかの班からは、「私たちの地球、20000kmしかない!」や、「50000km近くある……」など、誤差に驚く声が聞こえてきました。しかし、そんな班の生徒たちも、すぐさま「たぶん、緯度が変わる境目のところから次の境目まで歩かなきゃいけなかったのに、適当なところから歩いてしまって、距離が足らなかったのではないかな」「そもそも、歩幅の計算が違っていた気がする」など、自分たちのエラーの原因について論理的に話し合っていた姿が印象的でした。

「古代と同じ手法で地球の周の長さを計る」というのは、生徒たちからすると、非常にキャッチーな体験と感じられるかもしれません。ですが、その裏側では、習った内容を実践して原理への理解を深め、実践でのエラーに基づいてより深く内容を解明する姿勢が養われていました。たった1時間の実習ですが、面白い体験を入り口にしながら原理の理解へと導くというフェリスらしさの表れた授業でした。

経度を確認して歩く

歩いて測定

データを基に計算方法を考える