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【生徒作成記事】見える人も、見えない人も。一緒に歩ける地図をつくる(前編)(4/23UP)

2026.04.23

[プロジェクト]

フェリスでは、スクール・ミッションであるFor Othersの実践として、様々な奉仕活動を行っています。特に、J3(中3)時には、1年間を通して奉仕活動に携わる機会があり、老人ホームを訪問したり、自分たちにできることを考えながら行動に移すということをしてきました。今回は前編・後編の2回に分けて、このJ3奉仕活動の内容をご紹介します。

まず、2カ所の老人ホームを訪問する活動は、1970年代後半に生徒の自発的な行動に起源があります。現在も、学年の生徒全員が分担しながら継続しています。主に入居者の方とお話をしたり、ゲームや体操などを一緒に楽しむことが中心です。
これらに加え、2025年度は、生徒の主体的な取り組みによって、新たに3つの活動が始まりました。そのきっかけとなったのは、2024年度7月に行われたJ2修養会とその後のHRでの取り組みです。(丘コラム:隣人のためになにができる? 」にてHR活動をご紹介しました。)
この活動を通して、支援を必要としている人々に向けて、自分たちが出来ることを考え、以下の3つのプロジェクトに取り組みました。

共同体験プロジェクト―身体障がい者や知的障がい者の方々と一緒にスポーツをしたり、絵を描いたりすることで交流を深めます。
寄付本回収プロジェクト―読み終えた本を回収し、換金した収益を寄付することで、間接的に社会福祉に貢献します。
視覚障がい者との共生プロジェクト視覚障がい者の方々と「おさんぽMAP」を使って一緒に散策し、理解と交流を深めます。

今回は、上記③視覚障がい者との共生プロジェクトについて詳しくご紹介します。
このプロジェクトは、J3奉仕委員の中から立候補した7人で取り組んでいます。活動のきっかけとなったのは、2024年度に行われた、視覚障がい者である青山しのぶさんによる「共生と平和」をテーマにした講演でした。この講演を通して、ただ同じ空間に存在する「共存」ではなく、互いに関わり合う「共生」を目指すことの大切さを学びました。
障がいの有無にかかわらず共生できる社会を実現するためには、共同体験を通して直接話し、互いを理解することが重要だと私たちは考えました。
そこで、フェリスの近くにある元町を私たちが案内し、一緒に散策しながら交流を深めるというアイデアが生まれました。
視覚障がい者の方が外出する際には、専用のアプリや触地図(※)を補助的に使うことがあるそうです。もし、目の見える人も見えない人も同じ地図を使って、一緒に街を歩くことができたらより楽しい時間を共有できるのではないでしょうか。
(※)触地図とは、立体的な記号や点字を使用し、視覚の代わりに触覚により理解できるように作成されている地図のこと。(国土地理院HPより)

そこで私たちは、視覚障がい者と目の見える人が一緒に元町を散策できる地図を「おさんぽMAP」と名付け、制作を進めています。点字で作られた地図に、 カラフルなイラストを描くことで、誰もが一緒に楽しめる地図を目指しています。
プロジェクト実現に向けて、2025年3月から前期を通して、以下のような調査を行いました。
【3月】神奈川県ライトセンター訪問
盲導犬と共に生活されている方から、日常生活の様子や課題についてお話を伺いました。
【6月】元町ショッピングストリートでの現地調査
一般的な街の道路は、目の見える人を前提につくられていることに気づきました。例えば、歩道にはみだした看板や、道路の微妙な高低差など危険につながる要素が多く見られました。
 【7月】横濱ジェントルタウン倶楽部訪問
触地図を制作しているこの団体では、フェリスの卒業生の方が事務局長を務めていらっしゃいます。立体印刷機を見学し、触地図制作の手順などを教えていただきました。

このような調査を重ねながら、現在も「おさんぽMAP」の完成に向けて制作を続けています。後期の活動内容や、地図の具体的な制作方法については、後編でご紹介します。

 

共同体験プロジェクト 2025年7月

障害を持つ子どもたちと一緒に絵を描き、交流を深めました。 

共同体験プロジェクト

子どもたちと関わる中で、障害の有無はその人のことを知るのに関係のないことだと気づきました。

障がい者との共生プロジェクト

横濱ジェントルタウン俱楽部を訪問し、触地図の作り方や特徴を教えていただきました。