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本の虫たちのおすすめ本バトル!(2/27UP)

2026.02.27

[授業]

1月、J2(中学2年生)国語講読の授業でミニ・ビブリオバトル大会が行われました。
ビブリオバトルとは、「ゲーム感覚を取り入れた新しいスタイルの『書評合戦』」(※)です。今回は「ミニ」ということで、生徒たちは6人1組のグループを組み、公式ルールよりも短いひとり3分の持ち時間で持参した本のプレゼンを行いました。プレゼンの後には質疑応答も行います。そして、6人全員のプレゼン終了後、グループ内で「もっとも読みたくなった本」(=「チャンプ本」と呼ばれます)を選出しました。

クラスの中はゲームが始まる前からたいそう盛り上がっている様子で、持参した本が偶然かぶってしまった生徒同士が早くも本の感想を語り合っていたり、持ってきた本を見せ合ってこれまでの読書経験をシェアしあったりと、和気あいあいとした雰囲気でした。

いざビブリオバトルが始まると、プレゼンターは自分の持ってきた本の魅力を最大限伝えるために、様々な工夫を凝らしたプレゼンを披露してくれました。たとえば、本の面白い部分について聞き手を指名するクイズを始めてみたり、作中に出てくる問題を班のメンバーと一緒に解いてみたりと、双方向コミュニケーションを意識したプレゼンが多く見られました。グループ全体で楽しく話して盛り上がっているうちに、いつのまにか本の世界へ入り込んでいる。そんな様子が教室中で繰り広げられています。

チャンプ本は、全員が自分以外の本に投票をし、最多得票数であった本をチャンプ本と定めるという方式で選出されました。チャンプ本に選ばれた生徒の中には、「私のプレゼンはかなりつたなかったのに、本当にチャンプ本でいいの?」と戸惑っている生徒もいましたが、同じグループのメンバーからは、「でも、あなたの発表を聞いていたら、なぜか読んでみたくなったんだよ」や「なんか、とにかく面白いってことが伝わってきたから」という声がけもあり、「上手なプレゼン」と「人に読んでみたいと思わせるプレゼン」はイコールではない、というビブリオバトルの奥深さがよく現れている一幕となりました。

最後に、チャンプ本として選出された本の推薦者たちから、クラスへ向けて一言コメントがありました。それぞれ、「これを読まないと人生損しています!」といった熱烈な推薦から、「他人の人間関係を覗き見るのが好きな人はどうぞ」といった本屋のPOPさながらのコメント、そして「勉強よりも面白いです!」という禁断の一言まで、さすがチャンプ本の推薦者といったコメントが並びました。

SNS等の影響により活字離れが進行していると言われている昨今ですが、フェリス生の手元に並んでいる多彩な本と、彼女たちの熱のこもったプレゼンを聞いていると、フェリスにはまだまだ本の虫がたくさん生息しているのだ、と思わされます。長く読み継がれてきた名作、近年出てきた新星の本、エンタメ、純文学、エッセイ、ノンフィクション……本にはさまざまなジャンルがありますが、フェリス生の手元には偏りなくあらゆるジャンルの本が置かれていました。

SNSと本との大きな違いは、「本とどのような向き合い方をするかは、その人の自由だ」ということではないでしょうか。感想などを通じて人とつながる手段にしてもよいし、誰とも共有しない自分だけのひそかな楽しみにしてもよい。つまらなかったら読みさして、十年後に突然思い出してまた読んでもよい。本で得た言葉や思考を用いて、あらたに何かを生み出してもよい。そう考えると、常に瞬間的なよろこびを追い求めさせられ、誰かといつも競わせられるSNS時代において、「本」とはある種の避難所なのかもしれません。

教員として、フェリスに生息する本の虫がこれからもできるだけ数を減らさずにいてくれることを祈るばかりです。


「ビブリオバトルとは」全国大学ビブリオバトル2025,https://zenkoku.bibliobattle.jp/univ_bibliobattle/bibliobattle (2026/1/27最終閲覧)