授業探訪:「情報」―情報デザインを体感しよう!(8/17UP)
2026.08.17
[授業]
S3(高校三年生)情報Ⅰの授業において、「わかりにくいデザインを改善しよう」というワークが行われました。これは、情報をわかりやすく伝えるためにはどういうデザインがよいかを考えることを通じて、「情報デザイン」の手法について体感的に学ぶことを目指すグループワークです。授業は、国立教育政策研究所の須藤祥代教育課程調査官をお迎えし、外部にも公開して行われました。(※取材は2025年度に行いました。)
このワークで生徒たちが実際に取り組んだのは、「街中に実在する分かりづらい案内板を改善する」という課題です。案内板を見ても直感的に施設の場所が分からないという状況をどのように改善したらよいか、これまで授業で学んできたアイディア出しの手法やデザインの手法を活かしながらグループで知恵を出し合いました。
須藤教育課程調査官は、生徒たちのツールの理解度はもとより、生徒たちが話し合いの中で「AEDの場所は特に分かりやすい方がいいよね」や「車いす用のエレベーターはすぐ分かった方が助かるよね」などという発言をしていることに注目され、「与えられた情報を分かりやすく表現する方法を探すだけにとどまらず、情報自体の重みについてもきちんと精査して考えている姿が見られる」と評価してくださいました。これは、これまで生徒たちが奉仕活動や修養会といった活動で培ってきた、他者のことを考える力や社会の多様性に目を向ける力の現れではないでしょうか。たとえ自分には必要なくとも、その情報へのアクセスが必須である人がいる。デザインの思想ひとつ取っても、生徒たちの中にフェリスらしい「他者のために」の精神が土台にあることに気づかされる一幕でした。
ある情報をどのような形で伝えるか。情報デザインとは、この問いの答えを見つける作業と言えます。しかし、「どのような形で」を考えるにあたり、私たちは必ずその前提条件に立ち返る必要があるのではないでしょうか。つまり、「なんのためにその情報を伝えるか」や「どのような意図をもって情報を伝えるか」といった、方法以前の思想を考え直して初めて、よりよいデザインというものが完成するのです。まずデザインありきで始めるのではなく、根本的に達成したいことのために適切なデザインの力を用いる。生徒たちはワークを進める中で、そうした流れを体得していたのでしょう。
さらに、実際に学んできたデザインの手法を用いて改善してゆくことで、デザインの違いによる情報の伝達率の差異についても、紙上で学ぶよりも実感的に理解できているようでした。
以下に掲載するのが改善前の案内板(※)と生徒たちによって改善された案内板です。
いずれのグループも、情報デザインの可能性の広さを感じられる出来となりました。
※橋本直樹: 勝手にリデザイン:新宿高層ビルの館内施設案内 板,Liner Note(オンライン),入手先< https://note.openvista. jp/2011/redesigning-shinjuku-building-sign/ > (参照 2025-12-09)
もとの案内板

生徒制作の案内板①

生徒制作の案内板②

生徒制作の案内板③

生徒制作の案内板④














