【海外報告】オーストラリア研修(10/30UP)
2025.10.30
[行事]
オーストラリア研修は、8月2日から13日まで、「多様性や異文化体験を通して、価値観の変容や自分自身への気づきを得ること」を目的に、J3(中学3年生)を対象として実施されました。以下は、現地での様子をお伝えするレポートです。
いよいよスタート!
出発日、成田空港には多くの保護者の方々がお見送りに来てくださり、校長先生のお祈りとともに、12日間のオーストラリア研修が始まりました。飛行機に乗ること9時間 、「現地の予想気温は14℃です」という機内アナウンスに実感が湧かないまま、ブリスベンに到着しました。
到着後、まだ少し夢見心地の中、想像以上の涼しさに驚きながら、まずはマウント・クーサ展望台からブリスベンの街を一望しました。その後、ローンパイン動物園を訪れ、コアラやカンガルーといった、オーストラリアならではの動物たちとふれあいました。昼食では、オーストラリアの国民食「フィッシュ&チップス」に舌鼓を打ち、午後はブリスベンのランドマーク・サウスバンクに立ち寄って記念撮影をしました。オーストラリアらしい大きな青空の下、生徒たちの笑顔が印象的でした。
その後、いよいよホストファミリーと対面するために現地校へ。どのご家庭も笑顔で温かく迎えてくださり、生徒たちも少し緊張しながらも、新しい生活への第一歩を踏み出していきました。
現地校での学び〜San Sisto College〜
現地校では、フェリス生向けの英語レッスンと並行して、バディ(交流生)と一緒に現地の通常授業にも参加しました。授業は、座学に加えてアクティビティやローカルマーケット訪問などもあり、実践的な内容が多く、生きた英語を学ぶ貴重な機会となりました。
食文化体験の授業では、ティムタムやミートパイにベジマイトといった、オーストラリアならではの食品を一通り体験し、英語でレクチャーをするなど、楽しく実践的な学びとなりました。ローカルマーケットでは、店員さんやお客さんとの英語でのやりとりに挑戦。偶然居合わせた地元の方々も、生徒たちの質問に快く応じてくださり、地域全体の温かさを感じる体験となりました。
バディとの交流
学校生活には「モーニングティー」と「ランチブレイク」という1日2回の休憩時間があり、生徒たちはその時間をバディと共に過ごしました。キャンパス内のあちこちで笑顔とおしゃべりが広がる、明るく開かれた雰囲気が印象的でした。中庭では、生徒による発表の場もあり、現地の日本語の授業にも参加させていただくなど、互いに学び合う貴重な時間が生まれました。
オーストラリア文化の紹介
アボリジニーの先住民の方による文化紹介では、革製品や木彫りの作品を数多くご紹介いただきました。生徒たちは、カンガルーの毛皮を羽織り、エミューの羽とビーワックス(蜜蠟)を使ってネックレスを手作りし、石灰を使ったボディペイントを体験するなど、実際にアボリジナル文化に触れて学ぶ貴重な時間を過ごしました。
また、野生動物体験では、爬虫類を中心としたさまざまなオーストラリアの野生動物を実際に目の前で見ながらレクチャーを受けました。最初は恐る恐る手を出していた触れていた生徒たちも、気がつけばヘビを首に巻いて満面の笑みで記念撮影。大自然の中で育まれた命への敬意と好奇心を育む貴重な時間となりました。
進路・キャリア教育
5日目には、オーストラリアの名門、クイーンズランド大学を訪問しました。グループごとに現地の大学生に案内していただき、広大なキャンパスや最先端の研究施設を見学。生徒たちは、英語を使っての質疑応答にも積極的に取り組み、将来の進路を考える上で大きな刺激を受けました。
さらに8日目には、進路やキャリアを考える機会として、現地で法律事務所を開業された日本人女性弁護士の方による講演も行われました。「キャリアの鍵は信頼できる自分づくり 〜海外で通用するキャリア形成とは〜」というテーマのもと、日本という枠を超えて世界で活躍する姿に、生徒たちは強く心を動かされていました。講演後には、生徒たちから多くの質問が寄せられ、将来への視野を広げるとても有意義な時間となりました。
ホームスティで得た学び
現地の家庭に家族の一員として迎え入れられることは、異文化を直接肌で感じることができる、この研修の大きな醍醐味です。生活習慣の違いを体験する中で自立心が育まれ、英語で積極的にコミュニケーションを取ることの大切さを、身をもって学ぶ機会となりました。最後のさよならパーティーでは、別れを惜しんで涙を流す姿も見られ、生徒たちにとって10日間の生活がいかに深く心に残るものであったかが伝わってきました。
まとめ~Only Forward, For Others~
授業の最終日には、英語授業の集大成として、生徒たちがユーモアと工夫にあふれたプレゼンテーションを行い、全員が満面の笑みで修了証を受け取りました。お別れパーティーでは、バディやホストファミリーとともに日本の遊びを楽しみ、感謝の気持ちを歌に込めて伝えました。
言語や文化の違いを越えた体験は、人生におけるかけがえのない学びです。生徒たちは、この研修を通して英語で話すことの楽しさを実感し、英語学習へのモチベーションを高めることができました。また、異文化の中で生活することは、多くの人々の優しさと温かさに支えられて生きていることを実感する、貴重な機会にもなりました。
オーストラリアの国章に描かれているカンガルーとエミューは、「前にしか進まない動物」として知られています。
この研修が、生徒たちにとって前進するための大きなきっかけとなり、他者と共に豊かな人生を切り拓いていく第一歩となることを願っています。

















