卒業生から進路の話を聞いてみよう!(10/14UP)
2025.10.14
[行事]
夏休み明け初日の9月1日、フェリスでは卒業生たちから進路の話を聞くイベントを行いました。対象学年はJ3(中3)からS2(高2)で、1時間半にわたり有意義な話をたっぷりと聞くことができました。
今回招いた卒業生は4名で、現在は大学生・大学院生として自らの研究を深めています。
一人目のAさんは理学部に進学し、現在は植物のイネの研究をしています。イネといえばすぐに想像される農学部ではなく、あえて理学部で研究するという個性的な選択をしたAさんですが、現在は雰囲気の合う研究室で様々な角度から関心のある領域について学べており、充実した日々を送っている様子でした。Aさんは当時を振り返って、「今、好きなことや得意なことがなくても、直感を信じて歩みを積み重ねると、いつか好きなことに出会える。悩んでも最後にはなんとかなる。だから、直感を信じて進路を選んでも大丈夫!」と在校生へエールを送ってくれました。
二人目のBさんは経済学部に進学し、現在は計量経済学を専門に研究をしています。Bさんは元々理系を選択していましたが、コロナのまん延対策に関心を持ったことを機に計量経済学に関心を持ち、文系へと進路を変更しました。進路変更を決めたときにはかなり不安も大きかったそうですが、今になってみると、理系のころに学んだ知識もデータ分析など実践的な面で活きているそうです。その経験から、Bさんは在学生に「自分の好きなこと・やりたいことを探し、突き詰めよう!」というアドバイスをしてくれました。
三人目のCさんはハンガリーの国立大学に進学し、医学部で医学を学んでいます。めずらしい進路ですが、Cさんがそれを選択した背後には、国際的な進路への関心に加え、「医学を学びたいが、日本で医学部を目指すとなると、受験にかかりきりになってしまって、部活などの大切な学校生活を捨てざるを得ないことが多い。しかし、学校生活は人格形成の土台だと感じているので、それと両立できる受験を目指したい」という思いがありました。ハンガリーで様々なバックグラウンドを持つ友人と出会い、自分の視野がぐっと拓けたというCさんは、「ここへ来て、自分はもっと気楽に生きてもよいと気づけた。みなさんも、思い悩まずに本当に好きなことをして生きてください!」という言葉を送ってくれました。
最後、四人目となるDさんは、環境・社会理工系の大学院にて土木・環境工学系を専門に学んでいます。Dさんが土木の領域を選択したのは、フェリスの頃に英語の授業で扱った文章(発展途上国の児童の水汲み負担をインフラのデザインで解決しようというプロジェクトに関する内容)がきっかけでした。Dさんはそれを読み、「自分たちにとって当たり前の生活が当たり前でない地域がまだある。土木を通じてそれを変えたい」という思いから、土木を進路に定めたそうです。現在は大学院で研究発表などをしているDさんからは、「ハードな大学生活も、関心があれば乗り越えられるし、得るものも多い。関心のあることを大事にしてほしい」という言葉がありました。
四者四様の進路を選んだ卒業生たちですが、みな自分の選択に満足し、充実した日々を送っていることが伺えました。講演の後の質疑応答では、「自分のやりたいことが分からない」という在校生や、「自分の希望する進路を周囲に認めてもらえない」という在校生に対し、四人が具体的な対応策を示してくれるという一幕もありました。
進路に対して不安な気持ちを抱いている在校生にとって、自分の選んだ道を力強く歩んでゆく先輩方の姿は心強く映ったことでしょう。今後も、生徒たち一人一人が自分の歩むべき道を見つけ、歩んでゆけるように教員もより一層サポートしてゆきたいと思います。



