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【生徒作成記事】ブランディングとデザインとは?―S2選択教養講座

2025.02.06

[授業]

【以下はS2(高2)選択「教養講座」受講生徒による記事です】

高2選択科目「教養講座」では、横浜市青葉区にある横浜美術大学ビジュアルコミュニケーションデザインコース教授のリースナー佳子先生をお招きして「ブランディングとデザイン」に関してオンライン講義をしていただきました。


まず、「ブランドとは」という問いのもとお話をしてくださいました。ブランドと聞いて私たち生徒が思いつくのは高級ブランドの例ばかりでした。しかしブランドは高級ブランドだけを指すのではありません。名前と目印があり、差別化が明確で、良いイメージが定着しているもので、優れた商品・サービス・会社・人を指します。講義ではこのことを豊富な具体例を通して知ることができました。さらに、あるものがブランドであるかどうかを決定するのは私たち消費者であると伺い、驚きました。何も書かれていない紙コップに入ったコーヒーはただコーヒーとしてしか認識できませんが、ここに特定の企業のロゴが描かれると、私たち消費者は、それをその企業ブランドのコーヒーと認識し、差別化がなされるという説明を聞き、大いに納得しました。

次にブランディングに関してお話をしていただきました。まずブランディングは「価値を最大化して管理・継続すること」を意味するそうです。ブランディングには7つの作業があり、各作業をスパイラルに繰り返し行ってブラッシュアップしていくそうです。この作業のうち特に大切なのが最初の作業である「目的を決める」ことです。続く「消費者視点の市場調査・分析」「差別化」「コンセプト」「クリエイティブ制作」「広告を出す」「客観的に反省する」も大切ですが、まずは、何のためにブランディングするのか、つまり「目的」をスタッフがしっかり共有することがみんなの情熱につながります。「目的」を決める作業がどんなに重要であるかをお話されていたのがとても印象的でした。

続いて色や形が人に与える印象についてもお話を伺いました。ロゴ作成などブランディングデザインをすることは、色や形でそれぞれのブランドの「理念」を表現することです。感覚的で間接的ないわば「たとえ」を用いて、その企業らしさを表すので、なかなか難しいものだそうです。説明の中で「ブーバキキ効果」を紹介してくださったのですが、人には言語・人種に関わりなく、形から伝わってくる共通のものがあると伺い、非常に興味深く驚きました。

最後に、企業・大学など、様々なキャリアの経験を持っていらっしゃるリースナー先生は私たちにキャリア形成において大切なことを助言してくださいました。キャリア形成においては、自分は何をしたいのか、何が自分の得意なことなのか、自己分析してそれを表現すること、つまり「セルフブランディング」が大切です。一つひとつの物事について深く考え、自らを対象にブランディングの7つの作業を行い、より良い自分へと成長できるように歩んでいきたいです。