Connecting the dots -卒業生に聞く- (12/12UP)
2024.12.12
[ホームルーム]
Connecting the dots ―卒業生に聞く―
本校では、「卒業生に聞く」と題して、社会人や大学(院)生となった卒業生に、在校生に向けて自らのキャリアについて語ってもらう機会を設けています。
今回は大手輸送機器メーカーの課長としてご活躍なさっている工藤芳子さんに、学生時代のエピソード、キャリア形成、そして現在のお仕事内容などに関するお話を伺うことができました。
工藤さんは就職氷河期真っただ中に就職活動をし、女子学生はとりわけ正社員採用が難しいという時代にあって、最初は半導体関連会社に入社し、海外営業をご担当されました。在校中から英語が得意で、社会人2年目からは香港・台湾・上海に駐在。その後、現在の会社に入社し、インド駐在もご経験されました。インドでは労働環境の厳しさもあって、精神的に辛くなってしまい、自信を無くした時期もあったそうです。その後早稲田大学のビジネススクールに入学し、仕事をしながらMBAを取得。現在では社内で新規事業を立ち上げ、カーボンニュートラル(CO2の排出量と吸収量を均衡させる)に挑んでいるそうです。
これまでのキャリアには、在学中に経験した様々なことが活かされていると語ってくださいました。
J2(中2)の美術で、山手の丘から見えるベイブリッジを何時間もスケッチしながら、海の向こうへ想いを馳せていたこと。
S1(高1)の広島研修旅行で、韓国人被爆者の方の話を聞き、立場が異なる人やマイノリティの人が存在することに気づき、自分が見ている景色はごく一部にすぎないと知ったこと。
フェリスでは常に生徒たちも大人として扱われ、あなたはどう思うのか、ということを問われ続けた6年間であったこと。
自分が思っていることを自由に発信して良い空間であったこと。
こうしたフェリスならではの原体験が、すべて点となり、それらが線で結ばれて、振り返ってみるとそれが現在に繋がっていることを、ご自身の体験をもとに力強く紹介してくださいました。
また、後輩へのアドバイスとして、人生で大事なことは「レジリエンスを高める」ことだと教えてくださいました。レジリエンスとは、いったんストレスを与えられても、立ち上がって次に活かしていく力のことです。外部環境は常に変化し、全く新しいスタンダードが出現してきます。いかなる時にあっても、俯瞰し、大きな流れで変化を捉えていく。そして、とりあえず、チャレンジしてみることが大切だと、生徒たちの背中を押してくれる素敵なメッセージを伝えてくださいました。
カイパー講堂にて
ビジネス最前線のお話を聞かせてくださいました