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【生徒作成記事】弁護士のお仕事(12/18UP)

2023.12.18

[授業]

S2選択科目「教養講座」では、弁護士のお仕事が具体的にどのようなものなのかを知るために、神奈川県弁護士会から、弁護士法人プロフェッション平塚八重咲町法律事務所の甘粕由磨先生をお招きし、講演をしていただきました。  

まず、先生から自己紹介をして頂きました。どのように大学を決め、どうやって職業を決めたのか、現在どのような仕事をなさっているのか、といったご自身の経験、現在の司法試験の状況、弁護士の仕事全般など、貴重なお話を伺うことができました。実際に弁護士をなさっている方から直接教えて頂いたことで、今まで漠然としか理解していなかった「弁護士」という職業が身近に感じられるようになりました。 

次に、先生が用意して下さった「サカズキは、呪術高専に通う高校2年生」というユーモア溢れる文から始まる事例を読み、サカズキが起こした行動について考えました。サカズキは「徹底した正義」という考えを大切にしており、その考えに基づいて、ファミレスの店員を怒鳴りつける、Twitterに先輩の悪口を書き込む、先輩をナイフで刺すなど、様々な問題行動を起こします。これらのサカズキの行動を法律と照らし合わせながら考え、サカズキの行動はどのような罪に問われるかをグループで考え、発表しました。このグループワークでは、自分の物差しで勝手に善か悪かを考えるのではなく、法律という公平な物差しで考えたので、とても新鮮でした。ただ、自分の考えと判断が異なることもあり、自分の感情と折り合いを付けることが難しいこともありました。 

最後は、先生が用意して下さった事例の解説を伺いました。弁護士の方々がどのように考えて被告人の罪を判断しているのかを詳しく教えて下さいました。まず考えることは「構成要件」と呼ばれる4つの基準だそうです。これを満たしていないと被告人は罰せられません。その4つとは、実行行為・結果・因果関係・故意です。それらを考えた後、「違法性(違法性阻却事由)」を考え、最後に「責任能力」の有無を考えます。これらの基準を元に先ほどの事例を考えてみると、自分達で考えていた時よりもずっと考えやすく、また説得力もありました。法律に基づいて考えるとは、こういう要素を一つ一つ丁寧に考えることだということがわかりました。 

  私たちは、今回の講演を通じて、弁護士の日常の仕事内容を知ると共に、法律の大切さ、法律を具体的事案に適用することの難しさを知りました。事前学習の時は法律を遠い存在だと感じていましたが、今回の講演を通じて、法律が身近に感じられるようになりました。法律に守られている者として、法律について正しい知識を持ち、理解を深めていきたいです。