YWCAカンファレンス報告(1/12 UP)
2024.01.12
[クラブ活動]
<この記事は、YWCAの生徒による礼拝でのカンファレンス報告をもとに再構成しました>
8月上旬、青山学院横浜英和中学高等学校にて関東地区中高YWCAカンファレンスが行われました。
フェリスを含む8校のYWCAのメンバーが参加し、聖坂支援学校の春日先生を講師として、共に学び語り合いながら交流を深めました。
各校による個性的な学校紹介の後、春日先生に講演をしていただきました。
春日先生が所属されている聖坂支援学校は、障がいのある子どもたちのための特別支援学校であり、キリスト教に基づく教育を行っています。
障がいを持つ子どもたちと関わると、「みな人と違う。そのままで大丈夫」と伝えてくれる感じがするそうです。
世間は甘えや人に頼ることに否定的であり、助けを必要としない人間であることを求めてくることがあります。
しかし、できないことは人に頼ってもいいのだということを先生はお話しくださいました。
自立とは安心して助けてくださいと言えること、そして助けを求められたらそれに応えることです。自立とはある意味、依存することなのです。
講演後、昼食を食べ、アイスブレイクタイムを持ちました。アイスブレイクタイムはフェリスの担当だったため、聖書を使った伝言ゲームなどを行い、皆で楽しみました。
その後は、グループでのディスカッションを行いました。講演の感想や疑問、そして、「誰もが安心して、笑顔で過ごせるためにはどんなことが必要か」などを話し合いました。
その中では、人に頼ることを自立と捉える視点に驚いたという声や、依存に対してマイナスイメージがあったため、人に依存してよいということを意外に感じたという感想が出されました。
障がいを持つ方と関わったことのある人も多くおり、とても驚きました。
また、互いを理解するために人と関わったことによって、かえって傷つけあう場合はどうすればいいのか、などの疑問も挙げられました。
誰もが心地よく過ごすためには、人を区別して考えたりせず、違いを恐れないで、正しい理解をしなければなりません。
そのためには、いろいろな人と関わり、相手を知る必要があります。交流の場をもっと増やすとよいかもしれません。
関わりによって、人との軋轢が生まれる危険もありますが、互いを分かりあうためのものであったのなら、その衝突にも意味はあります。
そして、助けを求めている人を助けることを許容する空気、助けてと言える環境の構築は必須です。
周囲の意見を聞いていく中で、自分がいかに知らないのか、分かっている気になっていたかと唖然としました。これまで障がいをあまり身近に感じていなかったことも原因の一つだと思います。
様々な意見を聞き、考える機会を与えられたことは貴重な体験でした。生きづらさを感じながらも生きていくためには、人に頼ることも必要だと実感しました。
できないことは人に任せられるようになるとよいのですが、できることをとりあげるのもいけません。その結果、全て任せるか、自分でやるかという選択になりがちです。
みなが納得する役割の分配は難しく、人を傷つけないようにするには、譲歩する必要もあるかもしれません。
しかし、こういった厄介さから逃げずに一人ひとりときちんと関わることが、「みな、笑顔ですごす」ための一歩なのではないでしょうか。
参加者による発表の後、春日先生は最後に「人は優しくされれば優しくできる」とおっしゃっていました。
安心して他者に依存できる世界をつくり、共に生きていくために、私たちは小さくても日々、思いやりを持って行動できるとよいと思います。
礼拝での壇上報告(校内)