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【歴史探訪】鉄平石に込められた願い(1/26UP)

2024.01.26

[歴史]

現在の中高1号館の校舎は2002年に建てられました。しかし、その山手通り側の外観は、1929年に建てられたかつての校舎(旧1号館)と一見変わらぬたたずまいを残しています。

旧1号館が建てられたとき、当時のシェーファー校長は、校舎が色も形もさまざまな鉄平石と呼ばれる石で覆われていることを
「1銭の小より数千円の大にいたる、かつ世界中ほとんどあらゆる国々の喜捨によってなり、多くの国々、多くの人種の人々の愛の協力の実例」
だと述べました。

鉄平石で覆われたデザインは、旧1号館を設計した森山伊望が提案したものです。
多くの人々の寄付や援助によりフェリスが関東大震災から復興できたことへの感謝と、この学校に学ぶ生徒一人ひとりがまっすぐで美しい心を持つ者に育つことへの願いを表しているそうです。

なお、現在の校舎の外壁に使用されている鉄平石は、1929年当時に使用したものと同じ長野県南佐久から切り出されています。
生徒玄関外壁の鉄平石は旧1号館同様に手貼りされており、その作業には旧校舎(旧2号館)の外壁を貼ったという職人さんも参加しました。
改築前の校舎に使用していた鉄平石は、現在中庭の池の周囲を飾っています。



参考資料:
・『フェリスのあゆみ』、2020年、p.26
・「支援の足跡」フェリス女学院維持協力会たより「緑の丘の上で」Vol.3、2009年、p.8 

現在の1号館外壁

現在の1号館外壁

現在の生徒玄関外壁

現在の生徒玄関外壁

現在の中庭の池