【生徒作成記事】フェリス生も伝え方が9割~こんな方法あったんだ!~(9/8 UP)
2023.09.08
[授業]
高2選択科目「教養講座」
多様な分野に触れ、自分自身の興味関心を探る科目です。月ごとにテーマを決め、問いを立て、文献を調査し、議論した上で、大学・企業等から講師をお招きします。講師選びは受講生が主体です。
5月のテーマは「伝える」
受講生は、自分が「伝え方」の手本にしたい人を探し、動画を分析しました。なぜ魅力的なのかを発表し合うことで、優れた内容・構成・話し方には様々なポイントがあるとわかりました。
事前学習を終えた翌週に(株)ウゴカスから、伝え方講師・アナウンサーの上條美沙子さんが講演に来てくださいました。
きっかけは、受講生が自宅の書棚で見つけて読み、大いに役に立ったという1冊の本。
佐々木圭一『伝え方が9割』(ダイヤモンド社 2013)
著者の佐々木氏が代表を務める(株)ウゴカスでは、社会貢献事業の一環として、小学生から大学生までを対象とし、無料で「伝え方」の講演を行っていることを知り、ぜひお招きしたいということになりました。
講演当日、まず、上條さんは、「ノーをイエスに変える技術」を伝授してくださいました。話すことに苦手意識を感じている人も、ポイントを意識することで、誰でも伝え方上手になれます。講演を通して、そのポイントを学ぶことができました。 その後のワークショップでは、何かと理由をつけては部活を休んでばかりの後輩に、何と言えばもっと参加してもらえるか、という状況設定で、ペアーワークを行いました。
インターネットが発達し、言葉選びがより重要になった時代。
「伝え方」の技術は人生をより充実させる強力なアイテムになるはずです。
さて、講演後、受講生2人をインタビュアーとして、上條さんにお話を伺いました。(受講生はインタビューの方法を事前に学習しました。)
大学では美術科を卒業し、ウエディングプランナーを経て、アナウンサー・伝え方講師として活動していらっしゃる上條さん。伝え方・進路・キャリアなど多岐に渡ったインタビューの一部を共有します。
Q 伝え方のテクニックをどのように磨いていますか?
A音声を録音したり、映像を撮ったりして、自分を客観的に見ることで、話し方の癖を確認したり、より伝わりやすい表現を考えたりしています。「次はこうしてみよう」とトライを繰り返すことで、毎回成長できるように意識しています。そうすることで、実は緊張もほぐれているような気がします。
Q 伝え方で意識していることは何ですか。
A 伝える仕事も様々なので、「何を誰に伝えるのか」を、準備から意識しています。たとえば講演であれば、時間の中で的確にわかりやすく伝えられるよう、移動中に過去の講演の録音を聞いて準備します。一方で、キャスターのお仕事はその日の朝に読み合わせをして、すぐ本番。日頃から気になるイントネーションを確認しておくことで、当日の確認を最小限にできます。インタビューのように、相手がわかっている場合は、今日のみなさんのようにリサーチして質問を考えますね。現場やお仕事によって、求められることが変わるので、「今日は何が大切なのか」を、準備から意識して伝えるようにしています。
Q 大学では美術科を卒業した後、なぜ今のお仕事をすることになったのですか?
A 昔から、やりたいことがたくさんあるタイプでした。だからこそ、やりたいこと+自分の強み+興味の3つを意識して進路を考え、デザイン学科に進みました。 就活のときには、アイデアを出せる仕事・表現できる仕事・人とかかわる仕事がしたいという漠然とした思いを持っていました。
そんなある日、あるアナウンサーの方にお話を伺った際、「アナウンサーは、実は聞くことが大切だ」とおっしゃっていたんです。私自身、実はもともと「話す」ということには苦手意識がありましたが、その言葉を聞いて、自分も挑戦してみたい、できるかもしれないと思ったのがきっかけでした。
Q オーバーワークにならないように気をつけていることはありますか?
A 社会人になりたての頃には、あれもこれもやりすぎて、逆に仕事を楽しめなくなってしまったり、体調を崩して迷惑をかけてしまったこともありました。様々な経験をしていく中で自分を知ることができて、今では挑戦をする中でも、1つ1つの仕事にしっかり向き合うことも大切にしています。地道にこつこつと取り組んで、次のことにトライしてみる。そうすることで、実力もついていくのだと感じています。
新たな生き方を知り、進路に悩む受講生にとって有意義な時間になりました。