文字サイズ

  • 標準
  • 大きく
MENU
CLOSE

アプリで広がる数学の世界(1/20 UP)

2023.01.20

[授業]

数学のベースにあるものは厳密な論理体系です。
紀元前300年頃に書かれたユーグリッドの『原論』では既に、証明という論証を駆使して図形や数式の様々な普遍的性質が解明されています。

幾何分野では、論証という抽象的な思考を、図形という具体的対象、いわば「共通のイメージ」で深めていきます。
「共通のイメージづくり」には模型を見る、コンパスと定規で作図する等の方法が効果的ですが、最近では作図アプリという新たなツールが加わりました。
アプリを用いれば、今まで頭の中にしかなかったものを見ることができるようになります。

中学2年生の幾何の授業で、作図アプリを用いて図形の連続的変化を動画で観察しました。
「どうしてもそうなってしまう」としか言いようがない図形の性質について、アプリを利用した「実験」の中から発見し、その理由を考えるという流れで授業を進めます。
厳密な論理体系に則り、発展させていく流れも大切ですが、時には、現象を目の当たりにして、心が動く体験を通して、「なぜ?」と考えることも良いものではないでしょうか。
きっと古代ギリシャの人々も、作図アプリは使えなくても、そうして発見した事柄があったはずです。
生徒が、同様のことを現代の機器を利用して追体験できたら意義深いことです。

また、高校3年生の選択数学の授業では、関数グラフの連続的変化を観察できるグラフ作成アプリを用いた実習を行いました。
既に様々な種類の関数を扱えるようになっている高校3年生の生徒たちが描くグラフは、ユニークなものが多く、不思議な曲線が画面上に現れました。

数学の楽しさは、自由な発想を広げていくところにあります。
アプリを用いた体験型の学びは、発展的思考をサポートするでしょう。
これからも様々な方法、方向から学びを深めていきたいと願っています。

新たなことを理解する喜びを感じ、心が動く経験ができれば、きっと新しい翼で、自由に羽ばたくことができます。



 

中2幾何(円周角の定理を題材に作図)

中2幾何(円周角の定理を題材に作図)

高3選択数学(関数グラフの連続的変化を観察)

高3選択数学(グラフ作成アプリの使い方を教え合う様子)

高3数学選択(生徒の作った3次元曲面)