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貿易ゲーム―実践編―(11/11 UP)

2022.11.11

[クラブ活動]

放課後の視聴覚室が、様々な学年の生徒たちで賑わっています。
フェアトレードを研究する有志団体「ふぇあちょこ」が、全校生徒から参加者を募り「貿易ゲーム」を行いました。

「貿易ゲーム」とは、1982年にイギリスのNGO「クリスチャン・エイド」によって開発された、自由貿易を疑似体験するゲームです。
日本では、1985年に(財)神奈川県国際交流協会が日本語翻訳版を制作し、2001年に(財)神奈川県国際交流協会とNPO法人 開発教育協会(DEAR)が共同で改訂版を制作しました。


(「ふぇあちょこ」の生徒が作成した、「貿易ゲーム」の解説動画はこちらからご覧ください)

各グループは、与えられた紙などの材料(=資源)とはさみなどの道具(=技術)をもとに製品を作って売り、他のグループと貿易や交渉、協力をしながら、稼いだ通貨の量を競い合います。
中学1年生から高校2年生までの生徒が集まり、グループ内で役割を分担して、せっせと紙を切り製品を作ったり、材料や道具を他のグループに売りに出かけたりするなど、活発なコミュニケーションをとりながらゲームに熱中していました。

そして、ゲーム後の振り返りの時間。
各グループに最初に与えられた材料や道具の数量が、実は平等ではなかったことが明かされました。
恵まれた前提条件のもとでゲームを始めることができたグループ(=先進国)は、限られた資源や技術しか与えられていないグループ(=発展途上国)と比べて、ますます豊かな富を築いていったのでした。
生徒たちは、自由貿易を通じて先進国と発展途上国の経済格差が拡大していく様を疑似的に体験することで、現行の貿易システムに潜む不平等性について深く考えさせられた様子でした。

最後に、「ふぇあちょこ」の生徒たちから、こうした世界経済のあり方を変えていくための一つの手段として、フェアトレードが提示されました。
この世界で起こっている問題を他人事とせず、自分たちにできることを考え、行動しようとする生徒たちの熱い気持ちを感じることができました。

参考文献: 開発教育協会編著『新・貿易ゲーム改訂版 経済のグローバル化を考える』(開発教育協会、2021年、改訂版第5刷)

 

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