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DNA抽出実験(11/7 UP)

2022.11.07

[授業]

細胞の中にあり遺伝子の本体となる物質、DNA。
高校1年生の生物の授業で、身近な生物からDNAを抽出する実験を行いました。

すりつぶしたブロッコリーの花芽部分またはバナナに、8%食塩水と中性洗剤を混ぜ合わせたDNA抽出液を加えて混ぜます。
出来上がった液体をろ過したものに、冷やした70%エタノールを静かに加えると、繊維状のDNAが析出しました。

写真に写っている2種類の液体のうち、緑色の液体がブロッコリーを材料にしたもの、茶色がかった液体がバナナを材料にしたものです。
それぞれのビーカーの中の液体が、2層に分かれているのがわかります。
上の層はエタノール、下の層はつぶした材料とDNA抽出液が混ざった液体です。
上の層と下の層の境界線付近、または上の層に見える白っぽいものがDNAです。
DNAは食塩水には溶けますが、エタノールには溶けにくいため、析出してこの位置に現れます。
中性洗剤に含まれる界面活性剤により細胞膜や核膜が溶解され、細胞核の内部にあるDNAを取り出すことが可能になりました。

なお、使用したブロッコリーとバナナの質量は同じでしたが、ブロッコリーを使った場合の方がより多くのDNAを抽出することができました。
これは、ブロッコリーの花芽の細胞はバナナのものよりも小さく軽いので、質量あたりに含まれる細胞の数が多いためです。

身近な材料を使って肉眼でDNAを観察することで、生物が共通して持つ仕組みに対する理解が深まりました。

 

左:ブロッコリー 右:バナナ

白っぽいものがDNA