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心揺さぶる、はじめての出会い――国際教育講演会 (10/7 UP)

2022.10.07

[行事]

一番好きな言葉は「мрцяです」。
ベラルーシ出身の講演者の方が語ってくださいました。「мрця」は夢、空想、想像、理想。広い意味をもつベラルーシ語です。

国際教育講演会は、普段の生活の中では触れ合ったり情報を得たりするチャンスが少ない国の方から直接お話をうかがう機会となっています。
これまでもポルトガル、エジプト、シリア、ミャンマーの方などをお招きしてきました。

「ベラルーシは国は小さいけれど、文化が豊かです。」
目に鮮やかな伝統文化の美しい刺繍。
クロスステッチのような刺繍を施すには時間と手間がかかります。
ひとつひとつのシンボルには意味があり、春のシンボルには、春の緑のように活躍してほしいという作り手の願いが込められています。
ベラルーシは冬が長く、春を呼ぶ祭もあります。
他にも、1年の中の昼が一番長い日(夏至)を祝う祭、イワン・クパーラがあり、闇に光が勝つという意味が込められた儀式が行われます。

生徒たちが声をあげて盛り上がったのは、最近の流行と子供の遊び。
K-POP、脱出ルーム、めんこ、ゴム飛びなど、ベラルーシの人々が自分たちと変らぬ興味関心を持っていることを知り、一気に親近感がわきました。
(1日に1人当たり500gというジャガイモの消費量にも会場がどよめきました!)

ベラルーシの歴史、国旗と国章、ベラルーシ語についての話題では、その歴史的・政治的背景について教えていただきました。
生徒たちに伝えられたのは「政治は自分たちの生活に直結しているからこそ、興味のない人でも最低限関心を持つべき」というメッセージでした。

日本とベラルーシの結びつきが感じられるエピソードも印象的でした。
チェルノブイリ原発事故でベラルーシが放射線汚染の被害にあった際、日本の放射線汚染の研究者が惜しみない支援を行いました。
一方、福島第一原発の事故の際には、チェルノブイリ事故の経験をもつベラルーシの研究者が、汚染地域の再生についての知見を提供したのです。
日本文化を紹介するイベントもあるそうで、アニメのコスプレ姿や着物姿のベラルーシの人々の写真が紹介されました。

ニュースなどで知る国のイメージとはまた異なる、ベラルーシの人々が大切に守っている伝統文化・私たちと変わらぬ日々の生活・国に対する思い・両国の絆に触れ、生徒たちは新鮮な驚きを抱いたようです。
講演会終了後は講演者の方への質問や対話を求める生徒たちの長い列ができました。
情熱あふれる講演者の方との交流によって、ベラルーシとの心の距離がぐっと縮まった一時となりました。