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地球の歴史を感じる地 ―フィールドワーク準備授業―

2022.06.13

[授業]

5月に、中学3年生がフィールドワークで長野県上高地を訪れました。
横浜では見られない様々な動植物や地形を見ることのできる上高地は、景勝地として魅力的であるだけでなく、地球の46億年間の歴史を感じることのできる場所です。
実際に現地を訪れるまでの準備として、理科2の授業では、上高地の自然について4月から学び続けてきました。

ある場所に生育している植物の集団(植生)が、時間の経過とともに変化していくことを、遷移と言います。
4月からの授業では、まず、上高地の成り立ちや地形について知り、植生の遷移について一般的な内容を学んだうえで、上高地における植生の移り変わりについて考えてきました。
フィールドワークで見ることのできる植物の姿は、常に変化していく植生のある一瞬を切り取ったものです。
過去にどのような変化を経て、これからどのように変化していくのでしょうか。

ある日の授業では、上高地ビジターセンターのホームページ上にある動画(「上高地シアター」)を見て、そこから考えられることをまとめました。
次の授業では、上高地の現存植生図を見て、その植生が見られる理由を班で話し合いました。さらに先生の解説を加えて、クラス全体の意見をまとめたものをPDFにし、パソコン上で共有できるようにしました。
また、別の日には、上高地で見たい植物1種と鳥1種を班ごとに話し合って決め、その生態についてインターネットで調べました。調べた内容は、パソコン上でパワーポイントを共同編集してまとめ、さらにクラス全体でパワーポイントを合体させて、クラスごとの図鑑を作りました。
パソコンを活用し、生徒一人ひとりの考えや興味関心をクラス全体で共有する試みに、皆いきいきと参加していました。

上高地の植生の遷移や、動物の生態、火山や氷河が作った地形などについて知ることは、地球の過去・現在・そして未来について考えることにつながります。
今年は、新型コロナウイルス感染予防のため、例年より1泊少ない1泊2日のフィールドワークとなりましたが、授業を通じて上高地について深く学ぶことができました。
上高地の自然の姿はこれからも移り変わっていきます。
いつか大人になった生徒たちが再び上高地を訪れたとき、どのような光景が広がっているのでしょうか。
地球の歴史に思いを馳せながら、美しい自然を守り継承していくことの大切さに改めて気づかされた授業でした。

上高地で見られる遷移についての話し合い

上高地の現存植生図を見てみよう

上高地の「植物・鳥図鑑」を作ろう