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共に生きるとは何か―地歴公民科講演会―(9/5 UP)

2022.09.05

[授業]

今年の地歴公民科講演会では、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんをお招きしてお話を伺いました。
地歴公民科講演会は、日本や世界の現場で活躍する方々のお話を直接聞くことで、社会に対して、他者に対して、より深く関心を持ってほしいという社会科教員たちの思いにより、5年前に始まりました(対象は高校生)。
初回にお招きして貴重なお話を聞かせていただいた安田さんに、今回再び講演をしていただきました。

安田さんは、認定NPO法人Dialogue for Peopleのフォトジャーナリストおよび同団体副代表として、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進めています。
また、東日本大震災以降は、岩手県陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けています。

日本国内に暮らす外国人の中には、祖国に帰ることのできない事情を持つ人もいます。
そのような人々は、何から逃れ、日本でどのような困難に直面しているのでしょうか。
今回の講演では、取材で出会った人々の声や、家族の歩んできた歴史も交えながら、「共に生きるとは何か」ということを考えさせられるお話をしていただきました。

講演の中で触れられていた様々な問題について、生徒たちは、ニュース等で見聞きしたことはあっても、これまではどこか遠い世界の出来事のように感じていたようです。
しかし、安田さんのお話を伺う中で、自分の身近な場所にも苦しんでいる人がいることを知り、こうした問題に目を向けることの大切さを知った、との声が多く聞かれました。
また、紛争地域や被災地に、本来あった平穏な日常が一瞬で消えてしまったことの衝撃や、それでもなお希望を持って生き続ける人々の強さを、安田さんのお話や写真を通じて実感することができました。

直接現地に赴き、人々と会話しながら、現実の一瞬一瞬を写真という形で記録する安田さんのお仕事に、多くの生徒が感銘を受けた様子でした。
「安田さんは、無知を知に変え、世の中にある偏見を1つずつ写真で変えていっているのだと思った」
「現地に行って写真を撮ることを通じて、様々な問題に対する世の中の関心や支援を集め、多くの人を救っているフォトジャーナリストという仕事を凄いと思った」
といった感想が聞かれました。

多様な人々が安心して共に生きることのできる社会をつくりたいという願いにつながる、貴重な講演会でした。