Harry Potterの"世界観"を翻訳する
2021.12.17
[授業]
いつもの図書館が魔法の世界に。
おなじみのテーマ曲が流れ、映画のポスターが壁を彩る異空間に、生徒の興奮が高まります。
高校1年生の英語の授業では、2回にわたり、J.K.Rowlingによる "Harry Potter and the Philosopher's Stone" (邦題:『ハリーポッターと賢者の石』)を題材に扱いました。
物語の読解を深めるため、英語科と国語科の教員が協力して授業を創りました。
<第1回目> "The Mirror of Erised"とは?
やって来た生徒たちを出迎えるのは、"The Sorting Hat"。
帽子に入ったくじを引き、作中に登場する寮の名にちなんだ Griffindor(グリフィンドール) 1-3、Hufflepuff(ハッフルパフ) 1-3、Ravenclaw(レイブンクロー) 1-3、Slytherin(スリザリン) 1-3というチームに分かれます。
授業の焦点となったのは、ハリーが学校で見つけた "the Mirror of Erised"です。
見る者のdesireを映し出すというこの鏡はどのようなものか、というテーマで探究を行いました。
最初に映画の該当シーンを視聴した後、原作の英文から客観的に読み取れる内容について簡潔にまとめます。
その後、この鏡についてそれぞれのチームで解釈を深めます。
desireとはどのようなものか(どのような願望を表すのか、語源、なぜhopeやwishなど他の語ではいけないのか)、
他の文学作品における鏡のモチーフとの比較など、多様な観点から議論が行われました。
<第2回目> "Erised stra ehru oyt ube cafru oyt on wohsi" (Rowling, 1997, p.152)
鏡に刻まれた一見不可解なこの文。
この謎を解き、同じく仕掛けが隠された鏡の名前"The Mirror of Erised"とともに、最もふさわしい日本語訳を考える。
これが第2回目のミッションです。
(謎解きのヒント:逆さから読み、文字の区切りを調整します。答えは後ほど!)
単なる直訳を行うのではなく、創造力を発揮し、自由な発想で翻訳を行うという課題に生徒たちは熱中。
鏡の一人称(「私」?「我」?「余」?それとも必要ない?)一つをとっても、オリジナリティに満ちた翻訳がなされました。
最後に、グループの代表者が、自分たちの考えた翻訳、そして「こだわりポイント」を発表します。
個性と熱量あふれるプレゼンテーションに、クラスメイトからもどよめきがあがり、「鳥肌が立った」との声も聞かれました。
一語一語の言葉にこだわり、英語と日本語の持つ幅や奥行きの違いを味わう、魔法のように楽しい時間でした。
(さて、鏡の名前と刻まれた文の謎は解けたでしょうか?
それぞれ、"The Mirror of Desire"、"I show not your face but your heart's desire"となります。)
出典:Rowling, J.K. (1997) Harry Potter and the Philosopher's Stone. London: Bloomsbury.
