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【歴史探訪】グーデンベルグの聖書

2021.11.12

[歴史]

歴史資料館の展示コーナーに、グーデンベルクの聖書の復刻版を公開しました。

1450~1456年にかけて、ヨーハン・グーデンベルク(1400-1468)とその弟子たちが印刷した世界初の活版印刷の聖書です。活版印刷技術の発明は、それまで修道士たちが手で写すことによって伝えてきた聖書が広く行きわたるきっかけとなる画期的な出来事でした。

ラテン語の聖書をテキストとし、ほとんどのページが2段組42行で組まれているため、「42行聖書」とも呼ばれています。
三色刷りで、金箔の意匠が施されており、ところどころに美しい挿絵が描かれています。紙は透かしの入った特製のものが使用され、装丁は総革製で真鍮の金具付きです。芸術品としても高い価値があります。
当時180部印刷されたもののうち、現存するものは48部(完全なものは22部)です。使用されているインクの顔料について調査した結果、銅や鉛の含有量が多いことが分かりました。数百年経った現在においてもその鮮やかさは失われていません。


展示した復刻版は、ドイツのイディオン社が895部限定復刻したうちの1冊です。Staatsbibliothek Preussischer Kulturbesitzを原本とし、装丁、紙質の他、色彩、挿絵、刻印まで見事に模写され、忠実に再現されています。

生徒たちに貴重な資料に触れてほしいという思いから、年に一度、期間限定で展示しています。