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初版本の特別展示@図書館

2021.11.12

[プロジェクト]

夏休みに入る直前に初版本のレプリカを展示しました。

図書館の1階には「読書ノート」のコーナーがあります。
読書ノートは中学1年生と2年生の国語の課題です。生徒たちは文学作品の多読に取り組みます(中学2年生では新書も加わります)。国語では年間を通して取り組む課題が毎年ありますが、読書ノートはその出発です。

読書ノートの課題図書は近代の文学作品と詩集です。通称「オレンジラベル」。読書ノートの書架には、文豪たちの不朽の名作が並びます。生徒たちに深遠な作品世界と豊穣な言葉にたくさん触れてほしいと願っています。普段からこの書架の前には本を選ぶ生徒の姿をよく見かけますが、特に夏休み前には大量の本が貸し出され、書架がガラガラになります。

初版本には文学者本人や当時の編集者たちのこだわりが詰まっています。外見は、現代ではなかなかない凝った装丁です。例えば、谷崎潤一郎『春琴抄』は、黒の漆塗り。芸術品として鑑賞するのも良いでしょう。本を開いてみると、当時の挿絵や活字の書体を見ることができます。初版本のレプリカは、通常の本同様に借りられますので、普段手にとっている文庫との違いをじっくり味わうことができます。新しい発見もあるかもしれません。夏目漱石『吾輩は猫である』が上・中・下巻だった!といった具合に。作家の使用した原稿用紙のレプリカも展示しました。

横光利一『春は馬車に乗って』、芥川龍之介『羅生門』、谷崎潤一郎『春琴抄』、夏目漱石『吾輩は猫である』